加工技術

レーザー彫刻:木(ヒノキ)

投稿日:

焦がす技術

CO2レーザーで木に文字を彫刻する。使用するレーザーはスキャナタイプのパルスレーザーです。素材はヒノキ。ヒノキは木肌が美しく香りも良い。ただ、脂分が多く、レーザー加工においては思い通りにいかない素材です。脂分が多いと、レーザー照射によるヤニの付着が気になります。加工後に濡れたウエスで拭き取っても簡単に落ちてくれないです。どうやってヤニの付着を防ぐのか、又はヤニの発生量を抑える。品質を求めていくと、結局はヤニとの戦いになる。
今回はスキャナタイプのパルスレーザーでヤニの付着を抑え、尚且つ焦がす。品質の高い加工技術を紹介します。
例えば細字など細かなピッチ間を焦げにより発色させたい。この場合は比較的簡単でパワーの強弱で狙いを見付けると良いと思います。難しいのは、広いエリアなど、面積が大きい部分を発色させることです。パワーを増やせば焦げの度合いも増えますが、過度な設定値は発火にもつながり適正ではありません。それとヤニが多く発生し、周りへの付着で品質を損ないます。薄い材料に対しては穴も開いてしまいます。

写真Aは細字と太字の見え方の違いです。(加工条件は同じ)太字の方はヤニが多く付着し、見た目が悪いです。
写真Bはパワーとピッチ間隔を調整しました。過剰なパワーを入れていないのでヤニの付着が抑えられています。見た目も綺麗に仕上がりました。

写真Cはパルスレーザーの特徴を活かした加工方法です。あえてパルス状に照射することで、この様に黒く発色します。CWレーザーでは不可能な加工方法です。

-加工技術,


コメントを残す

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

関連記事

レーザーマーキング

ファイバー紙:レーザーマーキング加工 主に工業製品などで利用されているファイバー紙を利用した製品となります。ノベルティなどオリジナル性の高い製品作りが可能で、面白い素材だと思います。 CO2レーザーと …

桐箱マーキング

オリジナルペアウォッチを入れる桐箱にマーキングの依頼を受けました。 素材の桐は白い顔をしているので、ヤニによる黄変を抑えないとせっかくの桐箱が台無しになってしまう。かと言ってパワーを落としたり、スピー …

ロゴ文字彫刻

深彫り+写真彫刻 ヒノキ無垢板にロゴ文字の深彫りと写真彫刻。写真彫刻の詳細は何度か説明をしてきましたので、簡単に紹介します。写真は室内で照明が暗く、被写体が背景と同化して見える感じである。衣装も黒ベー …

レーザー写真彫刻

メモリアルフォトフレームのご案内 ヒノキに記念写真、ペット、風景など、写真とは違う形で記念として残したい。そんな方に是非お勧めしたい一品が、レーザー彫刻によるメモリアルフォトフレームです。実際にレーザ …

マーキング技術

桧へのマーキングトライ。マーキング内容はトムとジェリーのキャラクターと英細字です。 まずは桧ですが、油分が多くてヤニが付着しやすい。条件がマッチしないと、ヤニがついて品質が損なわれる。そして焦げ茶色に …

Laser職人