YAGレーザー スレンレス

304ステンレス マーキング

投稿日:

304ステンレス マーキング


ステンレスの種類にはSUS410、SUS430、SUS304があります。今回は304ステンレスへのマーキングをしてみます。
304ステンレスの成分は鉄+クロム(18%)+ニッケル(8%)であり、見た目は光沢が強く高級感があります。耐食性に優れ食器類や調理器具に使用されます。
レーザーマーキングする場合、この304ステンレスの厄介な所は光沢が強いことです。見た目の美しさはあるのですが、レーザーマーキングする場合には光沢が邪魔とになります。光の反射で見る角度により見づらかったり、発色の色が違って見えます。レーザーパラメータ条件の正解はありませんが、いかに見やすく表現するかという所を探していきます。

ステンレスの表面には被膜層があり、1μ波長帯のレーザーを照射することで熱エネルギーにより酸化被膜が作られます。その酸化被膜層が光の屈折により発色として表現されます。
今回は304ステンレスをそのままの状態と、表面を処理した状態で発色の違いを試してみます。

①…304ステンレスをそのままの状態
レーザーパワー強く、スピード遅い条件

熱影響を抑えた条件

②…304ステンレス表面を荒らして光沢を抑えた状態
レーザーパワー強く、スピード遅い条件

熱影響を抑えた条件

①.②の比較写真

写真では伝わりにくい所もありますが、光の反射、屈折により見る角度によって見え方が大きく異なります。光沢を抑え光の反射を弱くするだけ極端に変わります。
色んな角度から見やすく、綺麗に表現させる為には微妙な条件を見つけ出すことが必要です。エネルギーを強く入れすぎても、酸化しすぎて焦げた感じになります。また、弱すぎても発色が弱くなってしまいます。
個人的には②熱影響を抑えた条件でマーキングした場合が理想に近いです。

-YAGレーザー, スレンレス


コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

樹脂マーキング

樹脂発色 YAGレーザーでPS樹脂へマーキングトライです。素材はPSと明記してあるのでポリスチレンだと思います。樹脂の色は白色です。樹脂は熱影響を受けると溶け出してしまうので、エネルギー量の調整が難し …

レーザーマーキング:ステンレス

ステンレスへレーザーマーキング 1μ波長のレーザーを用いれば、ステンレスへの加工が可能です。加工機の仕様により加工内容が変わりますが、主としてマーキング加工について取上げたいと思います。ステンレスと呼 …

YAGレーザー波長1064nm

YAG波長と紙 YAGレーザーの波長は基本波長1064nmです。CO2レーザーに比べてピークパワーが高くパルス幅が短いため、瞬間的に強いエネルギーを与えることが出来る。加工内容として主に金属や樹脂への …

レーザーマーキング:アルミ

アルミ合金へレーザーマーキング 1μ波長帯(基本波長)のレーザーを使いアルミ素材へマーキングします。レーザーを用いてアルミへマーキングする事のメリットは、マーキングされた印字等が消えないことです。表面 …

紙 マーキング

段ボール印刷のインク除去 段ボールにベタ印刷された箇所へYAGレーザーを照射しインクを除去させます。マーキング加工ですがこの場合はレーザー照射による発色では無く、照射することによりインクを除去し、下地 …

Laser職人