アルミ合金へレーザーマーキング
1μ波長帯(基本波長)のレーザーを使いアルミ素材へマーキングします。レーザーを用いてアルミへマーキングする事のメリットは、マーキングされた印字等が消えないことです。表面層に酸化皮膜を作ることで黒く発色させたり、又は彫刻して印字させたり、結果として双方ともに消えることはありません。マーキング用途として、製造ロットや品番、改ざん防止等、絶対的な信頼性があります。
アルミニウム合金
番 手 | 含 有 物 | 特 徴 |
1000番系 | アルミ純度99%以上 | 導電性、熱伝導性、耐食性に優れる。強度が低い。 |
2000番系 | 銅(Cu) | 強度向上(ジュラルミン) |
3000番系 | マンガン(Mn) | 耐食性を維持し強度を上げる。アルミ缶など |
4000番系 | シリコン(Si) | 熱に強く耐摩耗性の向上。 |
5000番系 | マグネシウム(Mg) | 耐食性と強度向上。加工性が良く切削材料として使用。 |
6000番系 | シリコン(Si)+マグネシウム(Mg) | 5000番系より強度や耐食性に優れる。熱処理により強度向上。 |
7000番系 | 亜鉛(Zn)+マグネシウム(Mg) | 熱処理による硬化でアルミ合金のなかで一番強度がある。車両やスポーツ用品に使用されている。 |
アルマイト処理
アルミの表面は傷つきやすく、腐食、摩耗を起こします。その保護としてアルマイト処理をすることが一般的です。アルマイト処理とはアルミの表面に陽極酸化皮膜を作ることです。皮膜層の厚みは5μ~20μ程です。その他に皮膜層に着色するカラーアルマイトもあります。
《マーキングトライ》
1.アルミ種類:1000番系 アルマイト処理無し
毎回思うのですがアルマイト処理されていないアルミ素材は、光沢が邪魔して扱いにくいです。この場合は下地処理をして、その上からマーキングしたいです。光沢のテカリが邪魔をして、上手く読み取れないと感じます。特に、QRコード等のマーキングはテカリは禁物です。光の乱反射が邪魔をしてQRコードの内容を読み取れないことが多々あります。
写真:マーキング下地処理済み
パワー値:固定
スキャンスピード:変動による結果(下:高速 中:低速 上:中速)
焦点:0
レーザーの吸収が良く削り取られていきます。その度合いはスキャンスピードに比例します。スキャンスピードが遅いと深く濃く発色されます。
2.アルミ合金:アルマイト処理
アルマイト処理の品質により発色の度合いが大きく異なりました。アルマイト層の厚み数値までは把握できませんが、厚い層である方が酸化被膜を作ることが出来て発色は良いです。
焦点深度を変え、レーザーの吸収率を変化させることにより、アルミにダメージ(削れる)を与えず黒く発色させることが出来ます。ただ、アルミ素材、アルマイト処理の違いにより加工条件も変化しますので、その条件を見付けることが重要になります。
写真:条件の違いによる発色の違い