レーザータイプと加工関係
産業用に使われるCO2レーザー機のタイプとして、プロッタータイプとスキャナタイプがあり、主にカッティング、マーキング、カービング(彫刻)などの加工が出来ます。しかし、1台あれば全ての加工が可能かというと、そうでもありません。レーザー機のタイプ、スペックにより大きな違いがあり、向き不向きが生じます。
素材に対してどんな加工を施すのか、その点を明確にすることから始めます。その他にポイントとなるのが、加工品質、ロット、コスト、それらの妥協点を見付けレーザー機の仕様を決めることが重要です。
例えばカッティング加工を考えた場合は、プロッタータイプが適していると考えられます。そして素材がアクリルであれば間違いなくプロッターです。木材のカットもプロッターです。加工スピードを上げられない素材はプロッタータイプが適していると思います。レーザープロッターはカッティングの万能型と言えます。プロッタータイプのメリットとして加工エリアの選択が豊富であることも言えます。A4サイズ程度のコンパクトなレーザー機から、1000×2000㎜の大型エリアのレーザー機まで幅広く設定されています。そしてプロッタータイプの特徴として焦点距離が短いことでスポット径が絞れます。レーザービームも素材に対し垂直に当てられるので、より直角に近くカッティングすることが出来ます。
次にスキャナタイプについてです。スキャナタイプはモーターの先のミラーを制御することで高速加工が可能となります。加工としてはプロッタータイプと同じくカッティング、マーキング、カービングの加工が出来ます。高速加工が出来ることから、その優位性を活かしマーキングや熱影響を抑える必要のある紙のカッティングに向いていると思います。マーキングはスキャンスピードが速ければ速いほど加工時間は短くコストが抑えられます。紙のカッティングは加工スピードが遅いと熱影響で焦げてしまいます。加工品質を考えるとスキャナで高速にカッティングしたほうが綺麗に仕上がります。
プロッタータイプとスキャナタイプについて、それぞれのレーザー特性を加工目線から簡単に説明しました。双方を上手く使い分けることにより、より良い加工品質、コストパフォーマンスが実現すると思います。そして何より素材特性を知り、適正な加工条件を見付けることが重要だと考えています。