ファイバー紙と聞いてもピンとこないと思います。原材料はパルプ100%です。何層にもなっている紙を塩化亜鉛溶液の作用で積層し、1枚の積層紙となります。製造工程の中で塩化亜鉛溶液を洗浄し乾燥します。素材として安全で、廃棄処分についても紙同様リサイクル品として扱われます。とてもエコな素材です。
素材の特性としては、樹脂の様に強靭で弾力性があり柔軟な素材です。素材の加工方法は型抜きがありますが、強靭な素材ゆえ特殊な抜き型が必要となり、高額な初期投資が必要となります。
その型抜きに変わって代用される加工方法はレーザーカットとなります。レーザー(CO2レーザー)との相性はとても良く、ストレスなくカットが可能です。ただ、1ミリ以上の素材になると、レーザー出力もハイパワーが必要になります。
出力が低い設備ではスピードを抑えてカットすることが必要となり、その場合は素材への熱影響が出てきます。熱により素材が変形し、そして素材の変形により寸法精度が出なくなります。
何と言っても、熱影響を極力抑えるためには、パルス発振レーザーが最適です。パルス発振レーザーで出来る加工は、本当に広がります。その事例を紹介したいと思います。
地元JリーグチームであるFC岐阜の応援ミサンガを製造協力致しました。紙のミサンガはもちろん初です。素材の特性を活かした製品となります。これを機会に広まることを期待します。
レーザーカット:ファイバー紙
投稿日:2017年9月9日 更新日: