YAG波長と紙
YAGレーザーの波長は基本波長1064nmです。CO2レーザーに比べてピークパワーが高くパルス幅が短いため、瞬間的に強いエネルギーを与えることが出来る。加工内容として主に金属や樹脂へのマーキング加工になります。ガラス、アクリル、PETなどの透明素材に対しては透過してしまし加工は出来ません。
CO2レーザー(波長10600nm)しか知らないと、波長の違いで素材へ与える影響が違う事に驚きます。今回はCO2レーザー加工素材の主である紙素材とYAGレーザーをつなげてみました。ある意味タブーな発想です。YAGレーザーでは、もちろん紙は加工できません。その特性を利用した加工の一つで、レーザーラベルをマーキング加工する場合に、ラベル離型紙は紙素材で切れない事を利用してハーフカットを行います。CO2レーザーではハーフカットのパラメーター設定に神経を使う部分でした。この様に波長と素材特性を知ることにより、色んな加工方法が発見できます。そしてYAGレーザーを使った面白い加工を紹介します。素材は紙です。紙をカットしたりマーキングする加工とは違い、紙の印刷してある部分のマーキングになります。CO2レーザーでもマーキングは出来ますが、YAGレーザーでは紙にダメージを与えず印刷インクだけを取り除くことが可能です。インクはYAG波長を吸収するのですね。
写真左:オフセット印刷 写真右:レーザープリンタ印刷
ただしレーザープリンタで使用されるトナーにはYAG波長は吸収しませんでした。今回のトライで使用した紙は、オフセット印刷機で印刷された普通の印刷紙です。インクとの適合性を検証すると良いかもしれません。