ガルバノスキャナを駆使しレーザービームを制御する場合、どうしてもスキャナエリアの限界値が出てきます。使用しているスキャナエリアは150㎜×150㎜範囲となります。装置メーカーによっては焦点距離を上げてエリアを広げる方法を取っていますが、弊害としてスポット径が大きくなり、品質等が損なわれます。虫眼鏡で太陽光を絞りエネルギーを集光させることと同じで、レーザーにおいても焦点が合った距離が一番ベストな状態です。もちろん品質も良いです。加工において焦点が合っているスキャナエリア内がベストな状態となります。CWレーザーのプロッタ式に比べ、スキャナ制御の場合は加工エリアの狭さがデメリットになります。プロッタ式の場合はヘッドに付いたレンズがビームを集光させ、そのヘッドが駆動ベルトにより可動します。それにより加工エリアを広くする事が容易に出来ます。これがプロッタ式レーザー機のメリットです。
そして、スキャナ制御でも焦点距離を保ったまま加工エリアを広げることは可能です。プロッタ式同様にスキャナを搭載したヘッドを可動させることです。言うことは簡単ですが、非常に複雑な制御が必要となります。メカとソフトを同調させ制御することは非常に困難な作業となります。現在はその可動式スキャナを使い、広範囲の加工エリアで色々なことにトライしております。
話は表題に戻ります。
ドットマーキング導光板を説明すると、アクリル板300㎜×400㎜へ1㎜ピッチでドットを配列させるドットマーキングです。ドットの大きさはビームスポット径になります。
スキャナエリア150㎜角を最大限に使用するのか、細かく分割するのか、方法は一つではありませんが、今の考えでは経験上、細かく分割する方が良いと考えました。理由としてはエリアを狭くすることで、各エリアの条件を揃えやすいと考えたからです。
ただ、結果は良くありませんでした。
写真でも分かると思いますが、分割の境界線が現れているのが分かります。限りなく境界線を無くすこと。スキャナヘッドを可動させるリスクは、条件がヘッド可動により変わることにあります。ビームの入射角の変化により寸法ギャップが生じてしまうからです。その部分を加工テクニックでカバーしたいと思います。