PET レーザー加工

PET0.05㎜ドットマーキング

投稿日:2017年12月13日 更新日:

PET0.05㎜ ドットパターン加工
素材はPETフィルム、厚み0.5㎜。そのPETフィルムにドットパターンをマーキングする加工があります。
ドットの穴径はレーザースポット径になります。寸法的には熱影響も含めると約150μ程になりますが、パルス幅、時間による熱影響でドット径は変化します。レーザー波長帯の中ではではCO2波長帯は一番長く、熱エネルギーにより加工を施します。したがってCO2レーザー波長では熱影響は避けられません。ドット径や熱影響による隆起については検証が必要になります。
今回はドットパターンとラインのトライになります。ドットパターンは0.25㎜ピッチから0.4㎜ピッチまでを0.05㎜刻み。ラインは0.15㎜ピッチから0.3㎜までを0.05㎜刻み。加工深度の狙いは素材の中間辺り0.25㎜です。加工深度の測定ができませんので目視と経験値により条件出しをしました。
先ずはドットマーキングですが0.25㎜ピッチとなるとドット径が約0.15㎜なのでドットとドットの間は0.1㎜です。熱影響を多く受けている箇所はドットとドットが干渉してしまっています。

0.3㎜ピッチは熱影響で干渉することなく綺麗にマーキングされています。


次はラインマーキングですが、熱影響を少なくするためにスキャナスピードを上げてトライしましたが、均一な寸法が得られません。パルス間隔は計算上0.08㎜ピッチでビーム照射されますが、安定した結果が得られませんでした。太さにバラつきが出ています。


安定した結果を求めるとなると、パルス制御が理想的です。0.1ピッチ間隔に2ショットのビーム照射で安定させました。結果としても綺麗なマーキングになっています。

ただし、マーキングタイムは上がってしまうため、どちらを選択するかは検討する必要があります。
素材厚が0.05㎜ということもありデリケートなパラメーター設定が必要でしたが、もう少し出力を上げられれば違った結果も得られたと思います。

-PET, レーザー加工


コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

ファイバー紙のレーザーカット

ファイバー紙とは?簡単に説明すると硬く柔軟性のあるプラスチックの様な紙のことで、原材料はもちろん紙となります。『脱プラ』が求められている中での代替品として注目の素材だと思います。 では、そのファイバー …

レーザーでアクリル加工

アクリル素材はCO2レーザーと、とても相性が良いです。本来はプロッター式レーザー機の方が威力を発揮しますが、スキャナー式レーザーでも問題無いです。今回製作した部品は、トリマーの先端に付ける治具です。市 …

和紙のレーザー加工

和紙にレーザーマーキングしてみました。もちろんレーザーカットは出来るので、レーザーカット以外の方法ででデザインをいれました。和紙の染料をレーザーで取り除くと、取り除いた部分が白くなります。その方法を利 …

アクリル穴あけ加工

アクリル3㎜板に0.3㎜の穴を0.8㎜ピッチで開ける加工です。 この穴を開ける方法はレーザーの他は無いと思います。ドリルの場合は、数個の穴であれば加工可能ですが、ドリル刃が折れてしまったりと、何万とい …

レーザー写真彫刻:ヒノキ

桧の無垢板に記念写真とメッセージをレーザー彫刻しました。 写真は全体的に暗く、濃い部分が多い。そして二人の写真が合成してある構成でした。レーザー彫刻として表現するには暗く、濃い部分のコントラストを上手 …

Laser職人